XREALスマートグラス完全ガイド:ラインナップの特徴と活用方法

投稿日: 2026年1月23日
XREALスマートグラスのイメージ
出典:XREAL公式ウェブサイト (www.xreal.com)

1. イントロダクション - XREALブランドについて

AR(拡張現実)技術が急速に進化する現代において、コンシューマー向けスマートグラス市場をリードしているのが「XREAL(エックスリアル)」です。かつて「Nreal」の名で知られていたこのブランドは、一般消費者でも手の届く価格帯でありながら、高品質な映像体験と洗練されたデザインを提供することで、世界中で高いシェアを獲得しています。

XREALのスマートグラスの最大の特徴は、その「サングラスのような見た目」と「手軽さ」にあります。重厚なVRヘッドセットとは異なり、軽量で日常的に持ち運びが可能であり、カフェや飛行機の中、あるいは自宅のソファなど、場所を選ばずに大画面のデジタルコンテンツを楽しむことができます。スマートフォンやPC、ゲーム機と接続するだけで、目の前に数百インチ相当の仮想スクリーンが現れる体験は、まさに未来を感じさせるものです。

近年では、単なる映像表示デバイスにとどまらず、空間コンピューティングを見据えた「6DoF(6自由度)」対応モデルや、独自のコンピューティングユニット「XREAL Beam」シリーズを展開するなど、エコシステムの拡充にも力を入れています。本記事では、進化を続けるXREALの現行ラインナップを網羅し、それぞれの特徴や選び方、そして具体的な活用方法について詳しく解説していきます。

2. XREALスマートグラス ラインナップ一覧

現在、XREALからは用途や予算に合わせて複数のモデルが展開されています。最新のハイエンドモデルから、手軽に導入できるエントリーモデルまで、その選択肢は多岐にわたります。ここでは主要な製品ラインナップを一覧でご紹介します。

  • XREAL One Pro / One:独自チップを搭載し、最高の映像美と安定性を追求した最新シリーズ。
  • XREAL 1S:軽量化とコストパフォーマンスを両立させた、新しいスタンダードモデル。
  • XREAL Air 2 Ultra:空間コンピューティング開発にも対応する、6DoFセンサー搭載の最上位モデル。
  • XREAL Air 2 Pro:ワンタッチでレンズの透過率を変更できる電子調光機能を搭載した人気モデル。
  • XREAL Air 2:前世代から軽量化と装着感を向上させた、コンシューマー向け標準モデル。
  • XREAL Air(初代):XREALの名を世界に知らしめた、シリーズの原点となるモデル。

3. 各製品の詳細な特徴とスペック

XREAL One シリーズ (One Pro / One)

XREAL Oneシリーズは、これまでの「Air」シリーズとは一線を画す、新たな主力ラインナップです。最大の特徴は、独自のチップ「X1」をグラス本体に内蔵している点です。これにより、接続デバイスに依存せず、グラス側で高度な映像処理や3DoF(頭の動きへの追従)処理を行うことが可能になりました。

XREAL One
XREAL One / 出典:Amazon.com製品ページ

XREAL One Proは、シリーズの中でも映像品質に特化したモデルです。より広い視野角(FOV)を持ち、没入感を高めています。一方、XREAL Oneは標準的なモデルでありながら、チップ内蔵による安定したAR体験を提供します。両モデルともリフレッシュレート120Hzに対応し、滑らかなゲームプレイが可能です。

XREAL 1S

XREAL 1Sは、エントリーユーザー向けに設計されたモデルです。「S」はSlimやSimpleを想起させ、機能を絞り込みつつもXREALの核となる大画面体験を維持しています。軽量設計により長時間の使用でも疲れにくく、初めてARグラスを手に取るユーザーに最適です。

XREAL 1S
XREAL 1S / 出典:XREAL公式ウェブサイト (www.xreal.com)

XREAL Air 2 Ultra

「Ultra」の名を冠するこのモデルは、開発者やテック愛好家向けのハイエンドデバイスです。最大の特徴は、フレームの両端に搭載されたデュアル3D環境センサーです。これにより、ユーザーの手の動きを認識するハンドトラッキングや、空間内での位置を把握する6DoFトラッキングが可能になります。Apple Vision Proのような空間コンピューティング体験を、眼鏡サイズのデバイスで実現することを目指しています。

XREAL Air 2 Pro

XREAL Air 2 Proは、エンターテインメント体験を極めるために「電子調光フィルム(エレクトロクロミック)」を搭載したモデルです。

XREAL Air 2 Pro
XREAL Air 2 Pro / 出典:Amazon UK製品ページ

フレーム右側のボタンを押すだけで、レンズの透過率を3段階(0%、35%、100%)に切り替えることができます。明るい屋外ではサングラスのように暗くして映像を見やすくし、周囲の様子を確認したい時は透明にするなど、環境に応じた使い分けが物理的なカバーなしで可能です。

XREAL Air 2 / Air

標準モデルであるAir 2は、初代Airから約10%の軽量化(72g)を実現し、重量バランスを改善して鼻への負担を軽減しました。スピーカー音質も向上しており、音漏れを抑える設計になっています。初代Airは、現在でも中古市場などで手に入りやすく、基本的な大画面表示機能は現行モデルに引けを取りません。

4. 製品間の違いと比較

各モデルの違いを理解しやすくするために、主な仕様を比較します。特に「電子調光」の有無と「センサー(DoF)」の違いが選択のポイントとなります。

XREAL製品の比較
XREALシリーズ比較 / 出典:Bloomberg.com製品レビュー記事
機能 / モデルXREAL One ProXREAL Air 2 UltraXREAL Air 2 ProXREAL Air 2
主な用途最高峰の映像視聴空間コンピューティング開発没入型エンタメ視聴日常的なミラーリング
視野角 (FOV)約57度 (広角)52度46度46度
電子調光機能なし (※モデルによる)ありあり (3段階)なし
トラッキング3DoF (チップ内蔵)6DoF (外部カメラ)3DoF3DoF
重量約75g前後80g75g72g
※3DoFと6DoFの違い:
3DoF(3 Degrees of Freedom)は、首を回す動作(回転)に対応します。画面を空中に固定して首を振っても画面がそこにとどまる体験が可能です。
6DoF(6 Degrees of Freedom)は、回転に加え、前後の移動や上下左右の移動(位置情報)にも対応します。仮想物体に近づいたり、回り込んだりすることが可能です。

5. アクセサリー(XREAL Beam Pro、XREAL Beam、XREAL Eye)

XREALの真価を引き出すためには、専用アクセサリーの活用が欠かせません。

XREAL Beam Pro

従来の「XREAL Beam」が単なる中継デバイスだったのに対し、Beam ProはAndroidベースのOSを搭載した「空間コンピューティング端末」へと進化しました。スマートフォン型の形状をしており、Google Playストアからアプリをダウンロードして、直接グラスに投影可能です。

XREAL Beam Pro
XREAL Air 2 Ultra / 出典:Unbound XR製品販売ページ

特筆すべきは背面に搭載されたデュアルカメラです。これにより、人間の目の間隔に近い視差で「3D空間ビデオ」や「3D写真」を撮影できます。撮影した思い出を、XREALグラスを通して立体的に追体験することが可能です。

XREAL Beam

初代Beamは、スマートフォンやゲーム機と有線・無線で接続し、映像出力を安定させるデバイスです。「Body Anchor(画面固定)」モードや「Smooth Follow(手ぶれ補正)」モードを提供し、Nintendo SwitchやPS5などのゲーム機を大画面でプレイする際に重宝します。

6. 活用方法・用途

ハードウェアの進化により、XREALスマートグラスは多様なシーンで活用されています。

エンターテインメント(映画、ゲーム)

最も一般的な用途です。新幹線や飛行機での移動中、狭い座席でも130インチクラスの大画面でNetflixやYouTubeを楽しむことができます。また、Steam DeckやROG AllyなどのポータブルゲーミングPCと組み合わせることで、寝転がりながらAAA級タイトルを大迫力でプレイする「寝ながらゲーム」環境を構築できます。120Hzの高リフレッシュレート対応モデルなら、FPSゲームも滑らかです。

ビジネス(モバイルディスプレイ、プレゼンテーション)

ノートPCと接続すれば、物理的なモニターを持ち歩かなくても、どこでもマルチモニター環境を実現できます。XREALのPC用アプリ「Nebula for Mac / Windows」を使用すれば、空中に最大3つの仮想モニターを並べて作業効率を飛躍的に向上させられます。カフェでの作業でも、画面の内容を周囲に覗かれる心配がありません(プライバシー保護)。

クリエイティブ作業

Beam Proで撮影した3D空間映像の確認や、3Dモデリングデータのプレビューなど、クリエイターにとっても有用です。色再現性が高いOLEDパネルを採用しているため、映像編集の簡易チェックにも利用されています。

産業用途

Air 2 Ultraのような6DoF対応モデルは、建築現場での図面オーバーレイ表示や、医療現場でのトレーニングシミュレーションなど、BtoB領域での活用も進んでいます。ハンズフリーで情報を確認できる利点は、現場作業において大きな強みとなります。

7. まとめ

XREALのスマートグラスは、ガジェット好きのためのニッチな製品から、誰でも手軽に高品質なAR体験を楽しめる一般的なデバイスへと進化を遂げました。

映画やゲームに没頭したいならXREAL Air 2 ProOne Pro、コストを抑えて体験したいならAir 21S、そして未来の空間コンピューティングに触れたいならAir 2 UltraBeam Proとの組み合わせがおすすめです。

「画面を持ち歩く」という概念を変え、場所を選ばずに自分だけの空間を作り出せるXREALスマートグラス。あなたのライフスタイルに合わせた一台を選び、新しい視覚体験の扉を開いてみてはいかがでしょうか。

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