XREAL 1S スマートグラス徹底レビュー: WUXGA高解像度と新機能で変わるAR体験
昨今、エンターテインメントや業務効率化のツールとして注目を集めるAR(拡張現実)グラス。その市場を牽引するXREAL社から、待望の最新モデル「XREAL 1S」が登場しました。2025年、2026年と進化を続けるウェアラブルデバイスの中で、本機はどのような位置づけとなり、私たちの生活をどのように変えるのでしょうか。
本記事では、XREAL 1Sの特徴、スペック、装着感、そして実際にどのようなシーンで活用できるのかについて、詳細に解説していきます。特に、前モデルからの進化点や、同時発売された周辺機器との連携機能は見逃せません。
1. XREAL 1Sとは? 次世代スタンダードモデルの登場
XREAL 1Sは、これまでの「XREAL Air」シリーズや上位機種である「XREAL One」の流れを汲みつつ、より実用性とコストパフォーマンス、そして映像美を追求した改良モデルです。一見すると普通のサングラスのようなデザインですが、その内部には最新の空間コンピューティングチップ「X1」が搭載されています。
最大の特徴は、解像度が従来のフルHDから「WUXGA(1,920×1,200)」へと向上した点です。これにより、映画鑑賞やゲームプレイだけでなく、PC画面のミラーリングによるデスクワークにおいても、より多くの情報を鮮明に表示することが可能になりました。
2. 主な特徴とスペック詳細
XREAL 1Sが他のARグラスと一線を画すのは、その基本性能の高さです。以下に主要なスペックをまとめました。
【XREAL 1S 主な仕様】
- 解像度: 1,920 × 1,200 ドット(WUXGA)
- パネル: 0.68インチ Micro-OLED(ソニー製)
- 視野角(FOV): 52度(10m先に385インチ相当の大画面)
- リフレッシュレート: 最大120Hz
- プロセッサ: XREAL X1チップ搭載
- DoF対応: グラス単体でネイティブ3DoFに対応
- 重量: 約82g
- サウンド: Bose共同開発スピーカー
特筆すべきは、独自開発チップ「X1」の搭載により、外部デバイス(XREAL Beam等)を使用せずとも、グラス単体で「3DoF(3 Degrees of Freedom)」を実現している点です。これにより、頭を動かしても画面が空間に固定されるような自然な映像体験が可能となりました。
3. デザインと装着感:ガジェット感を抑えた洗練されたフォルム
ARグラスの普及において最大の課題の一つが「見た目」と「装着感」です。XREAL 1Sはこの点において大きな進化を遂げています。カラーリングは深みのある「ミッドナイトブルー」を採用しており、ブラック一辺倒だった従来のガジェットとは異なる、洗練された印象を与えます。
上記の画像からも分かる通り、外観は一般的なサングラスに非常に近くなっています。テンプル(つる)の部分はスピーカーやバッテリー非搭載の設計(給電式)のため、比較的スマートです。重量は約82gと、通常のメガネよりは重いものの、前後バランスが調整されており、長時間の使用でも鼻や耳への負担が軽減されるよう設計されています。
また、3段階のエレクトロクロミック調光機能を搭載しており、周囲の明るさに応じてレンズの透過率を変更できます。これにより、明るい屋外でも、暗い室内でも、快適に映像を楽しむことができます。
4. ディスプレイ品質とパフォーマンス
XREAL 1Sのディスプレイには、ソニー製のマイクロOLEDパネルが採用されています。有機EL特有の引き締まった黒と鮮やかな発色は、映画鑑賞において圧倒的な没入感を提供します。
さらに今回のモデルで採用された1,920×1,200(16:10)のアスペクト比は、PC作業において非常に有利です。従来の16:9(1920×1080)に比べて縦方向の情報量が増えるため、ウェブブラウジングやドキュメント作成時のスクロール頻度を減らすことができます。文字の視認性も高く、小さなテキストも滲むことなくくっきりと表示されます。
ゲームプレイにおいては、最大120Hzのリフレッシュレートが威力を発揮します。FPSやレーシングゲームなど、動きの速い映像でも残像感が少なく、滑らかな描画が可能です。
5. 新機能「3Dスペース」による映像革命
XREAL 1Sの目玉機能の一つが「3Dスペース」です。これは、内蔵されたX1チップの処理能力を活用し、通常の2D映像をリアルタイムで3D映像に変換する機能です。
これまでは、3D映像を楽しむためには専用の3Dコンテンツ(3D映画やSBS形式の動画)を用意する必要がありました。しかし、XREAL 1Sでは、YouTubeの動画や、手持ちのゲーム機の映像など、あらゆる2Dソースを擬似的に3D化して楽しむことができます。
特にRPGやオープンワールドのゲームでは、風景に奥行きが生まれ、まるでその世界に入り込んだかのような没入感を得られます。ただし、このモード使用時はフレームレートが30fpsに制限される場合があるため、動きの激しいアクションゲームよりは、じっくり楽しむコンテンツに向いています。
6. 活用シーン:ゲーム、仕事、エンタメ
XREAL 1Sは、その多機能さゆえに様々なシーンでの活用が期待できます。
① ポータブルゲーミング(Steam Deck, ROG Ally, Switchなど)
UMPC(ウルトラモバイルPC)との相性は抜群です。小さな本体画面ではなく、目の前に広がる100インチ超の大画面でPCゲームを遊ぶことができます。新幹線や飛行機での移動中が、プライベートシアター兼ゲームルームに早変わりします。
② モバイルオフィス
カフェやコワーキングスペースで、ノートPCの画面を拡張するサブモニターとして利用できます。物理的なモニターを持ち運ぶ必要がなく、周囲から画面を見られる心配もないため、セキュリティ面でも安心です。WUXGA解像度がここで活きてきます。
③ 動画鑑賞
寝転がりながら映画を見る、いわゆる「寝モバ」に最適です。天井を見上げればそこに大画面があるという体験は、一度味わうと戻れない快適さがあります。
7. 互換性と接続性
基本的な接続は「USB Type-C(DisplayPort Alt Mode対応)」ケーブル1本で行います。対応するAndroidスマートフォン、iPhone 15/16シリーズ、iPad(USB-Cモデル)、Windows PC、MacBookであれば、ケーブルを繋ぐだけですぐに映像が表示されます。
HDMI出力しか持たないデバイス(PlayStation 5、Xbox、Switchのドック経由など)の場合は、別売りの変換アダプターを使用することで接続可能です。
8. 拡張アクセサリ「XREAL Eye」で6DoFを実現
XREAL 1Sの可能性をさらに広げるのが、専用アクセサリ「XREAL Eye」です。これをグラス本体に装着することで、環境認識カメラが追加され、「6DoF(6 Degrees of Freedom)」に対応します。
3DoFが「頭の回転」のみを検知するのに対し、6DoFでは「体の移動(前後左右上下)」も検知します。これにより、VRヘッドセットのように、空間に固定されたウィンドウに近づいて覗き込んだり、周囲を歩き回ったりといった体験が可能になります。また、空間ビデオや写真の撮影も可能になり、AR体験の質を一段階引き上げます。
9. Nintendo Switch 2にも対応?「XREAL Neo」
同時発売された多機能モバイルバッテリー「XREAL Neo」も注目に値します。これは単なるバッテリーではなく、Nintendo Switch(および噂される後継機Switch 2)のドック機能を代替する機能を備えています。
通常、SwitchをTVモードで出力するには純正ドックとACアダプターが必要ですが、XREAL Neoを使用すれば、外出先でもケーブル1本でSwitchの映像をXREAL 1Sに出力(TVモードとして動作)できます。バッテリー内蔵のため、ゲーム機本体の充電も同時に行える点が非常に便利です。
10. 旧モデルとの比較:何が進化したのか
| 機能 | XREAL 1S(本機) | XREAL One | XREAL Air 2 Pro |
|---|---|---|---|
| 解像度 | 1920 × 1200 | 1920 × 1080 | 1920 × 1080 |
| 視野角 | 52度 | 50度 | 46度 |
| 3DoF | ネイティブ対応 | ネイティブ対応 | 要外部デバイス |
| 3D変換 | 対応 | アップデート予定 | 非対応 |
| チップ | X1チップ | X1チップ | なし |
表を見ると分かる通り、XREAL 1Sは解像度と視野角において優位性があります。特にAir 2 Proと比較すると、外部デバイスなしで3DoFが使える点や、画面の広さにおいて明確なアップグレードとなっています。
11. メリットとデメリット
メリット(良い点)
- 高精細なWUXGA解像度: 作業領域が広く、文字が見やすい。
- ネイティブ3DoF: 画面固定が自然で、酔いにくい。
- X1チップの恩恵: 2D→3D変換など、ソフトウェア処理が強力。
- Boseサウンド: オーディオ品質が向上し、イヤホンなしでも十分楽しめる。
- 洗練されたデザイン: 普段使いしやすい見た目。
デメリット(気になる点)
- バッテリー非搭載: 接続デバイスのバッテリーを消費する(XREAL Neo等で解決可能)。
- 視力補正なし: 視力が低い人はインサートレンズ(別売)が必須。メガネの上からは装着しづらい。
- 価格: 高機能化に伴い、エントリーモデルとしてはやや高価な部類に入る。
12. 結論:XREAL 1Sは「買い」か?
XREAL 1Sは、現在のARグラス市場において、機能・性能・デザインのバランスが非常に優れた「優等生」的なモデルと言えます。特に、WUXGA解像度への対応は、実用性を重視するユーザーにとって大きな魅力です。
もしあなたが、以下のようなニーズを持っているなら、XREAL 1Sは間違いなく「買い」です。
- 外出先でも大画面でゲームや映画を楽しみたい。
- ノートPCの画面が狭く、どこでも使えるサブモニターが欲しい。
- 最新のAR技術(3DoF/6DoF)を体験してみたいが、巨大なVRゴーグルは被りたくない。
- Nintendo SwitchやUMPCを頻繁に持ち歩く。
XREAL 1Sは、単なるディスプレイの代わりではなく、私たちのデジタルライフを物理的な制約から解放してくれる新しいツールです。アクセサリを含めたエコシステムも充実してきており、2026年のスマートグラス市場のスタンダードとなる一台と言えるでしょう。
