RayNeoスマートグラス徹底解説:各バージョンの特徴と活用方法

投稿日: 2026年1月28日

近年、AR(拡張現実)およびXR(クロスリアリティ)技術の進化に伴い、スマートグラス市場は急速な成長を遂げています。その中でも、TCLの支援を受ける「RayNeo(レイネオ)」ブランドは、革新的な技術と多様なラインナップで業界をリードする存在となっています。本記事では、RayNeoが展開する主要なスマートグラス製品について、その特徴、スペック、そして具体的な活用方法を詳細に解説します。

RayNeoの製品群は、単なるディスプレイの代わりとなるものから、高度なAIアシスタント機能を備えたもの、そして完全なスタンドアローン型のARグラスまで多岐にわたります。それぞれのモデルが異なるユーザーニーズに応えるよう設計されており、自身のライフスタイルに最適な一台を見つけることが重要です。

1. RayNeo X3 Pro:次世代のフラッグシップARグラス

RayNeo X3 Proは、同ブランドの中でも技術的な到達点を示すハイエンドモデルです。従来のARグラスが抱えていた「明るさ」と「軽量化」のトレードオフを解消し、屋外でも鮮明に見えるディスプレイを実現しています。

RayNeo X3 Pro Smart Glasses
図1:RayNeo X3 Pro - 鮮明なMicroLEDディスプレイを搭載(出典:MicroLED-Info)

主な特徴とスペック

  • ディスプレイ技術: フルカラーMicroLED + 光導波路(Waveguide)技術を採用しています。これにより、一般的なサングラスのような薄さを維持しながら、圧倒的な高輝度を実現しています。
  • 輝度: ピーク輝度は非常に高く(一部情報では数千nitレベル)、直射日光下の屋外でも映像や文字がはっきりと視認可能です。
  • プロセッサ: QualcommのSnapdragon AR1 Gen 1プラットフォームを搭載し、デバイス単体での高度な処理が可能です。
  • AI機能: 強力なオンデバイスAIを搭載しており、リアルタイムの翻訳やナビゲーション、質問への応答がスムーズに行えます。
  • デザイン: 重量は約70-80g程度と軽量に抑えられており、日常的に装着しても負担が少ない設計です。

活用方法

X3 Proの最大の強みは「屋外での実用性」と「ハンズフリー情報取得」です。

  • リアルタイムナビゲーション: 自転車や徒歩での移動中に、視界に直接地図や矢印を重ねて表示することで、スマホを取り出すことなく目的地へ到着できます。
  • 海外旅行での翻訳: 相手が話す言葉をリアルタイムで字幕として目の前に表示するため、言語の壁を越えたコミュニケーションが可能になります。
  • スポーツ・アクティビティ: ランニングやサイクリング中に、心拍数や速度、ナビ情報を視界の端に表示し、パフォーマンスを維持できます。
  • ビジネス支援: プレゼンテーションの際に、原稿や次のスライドの要点をグラスに表示させるプロンプターとして活用できます。

2. RayNeo Air 3s / Air 3s Pro:エンターテインメントに特化したXRグラス

RayNeo Airシリーズは、スマートフォンやPC、ゲーム機と接続して大画面を楽しむ「スクリーン拡張」に特化したモデルです。最新のAir 3sシリーズは、画質と使い勝手がさらに向上しています。

RayNeo Air 3s XR Glasses
図2:RayNeo Air 3s - 高精細な仮想スクリーン体験(出典:Tom's Guide)

主な特徴とスペック

  • ディスプレイ: Sony製Micro OLEDパネルを採用し、201インチ相当(6メートル先)の大画面を実現。解像度はフルHD(1920x1080)で、色彩表現が豊かです。
  • HueView技術: 独自の画質調整技術により、より自然で目に優しい色合いを実現しています。
  • リフレッシュレート: 120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、滑らかな映像体験が可能です。
  • Pro版の違い: Air 3s Proは通常版に比べて輝度が大幅に向上(最大1200nits程度)しており、明るい環境でも見やすくなっています。
  • 接続性: USB Type-C(DisplayPort Alt Mode)によるプラグアンドプレイに対応。iPhone 15/16シリーズやAndroid、Steam Deckなどとケーブル1本で接続可能です。

活用方法

Air 3sシリーズは、移動中やプライベート空間でのメディア消費に最適です。

  • 没入型ゲーミング: Nintendo SwitchやSteam Deck、PS5(リモートプレイ)などを大画面でプレイできます。120Hz対応のため、アクションゲームも快適です。
  • 移動中の映画館: 新幹線や飛行機の中で、周囲を気にすることなく映画やドラマを大画面で楽しめます。
  • プライベートモニター: カフェやコワーキングスペースで、PCのサブモニターとして使用し、覗き見されることなく作業効率を向上させることができます。
  • 寝ながら視聴: ベッドに横になったまま、天井に画面があるかのような感覚で動画視聴が可能です。

3. RayNeo Air 2 / Air 2s:軽量・快適さを追求したスタンダードモデル

Air 3sの前世代にあたるAir 2シリーズですが、その軽量さとコストパフォーマンスの高さから依然として人気の高いモデルです。特にAir 2sは音質面が強化されています。

RayNeo Air 2 XR Glasses
図3:RayNeo Air 2 - 軽量で長時間の使用も快適(出典:XR Today)

主な特徴とスペック

  • 超軽量設計: 約76gという驚異的な軽さを実現しており、長時間の装着でも鼻や耳への負担が最小限です。
  • 音質(Air 2s): Air 2sではクワッドスピーカーシステムを採用し、音漏れを抑制しつつ迫力のあるサウンドを提供します。「ウィスパーモード」などのプライバシー機能も搭載されています。
  • 調整機能: ノーズパッドやテンプル(つる)の角度調整が可能で、様々な顔の形にフィットさせることができます。

活用方法

初めてXRグラスを購入する方や、コストを抑えつつ高品質な体験を求める方に適しています。

  • 電子書籍の閲覧: 大画面で雑誌や漫画を見開きで読むことができ、紙のような没入感を得られます。
  • 日常的な動画視聴: YouTubeやNetflixなどのストリーミングサービスを、手軽に大画面で楽しむ用途に最適です。
  • PC作業の補助: 出張先などでマルチディスプレイ環境を構築したいビジネスパーソンに重宝されます。

4. RayNeo X2:真のスタンドアローンAR体験

RayNeo X2は、スマートフォンに依存しない「スタンドアローン型」のARグラスです。XRグラス(Airシリーズ)とは異なり、周囲の環境を認識し、デジタル情報を現実に重ね合わせる「真のAR」を実現します。

RayNeo X2 Standalone AR Glasses
図4:RayNeo X2 - 独立動作する真のARグラス(出典:UploadVR)

主な特徴とスペック

  • フルカラーMicroLED導波路ディスプレイ: 世界初の双眼フルカラーMicroLED光導波路ディスプレイを搭載。高いコントラストと輝度を誇ります。
  • プロセッサ: Qualcomm Snapdragon XR2 Gen 1チップセットを搭載し、グラス単体でのアプリ実行やデータ処理が可能です。
  • SLAM技術: 自己位置推定と環境地図作成(SLAM)機能を備えており、空間に固定されたARコンテンツを表示できます。
  • カメラとセンサー: 中央に高解像度カメラを搭載し、写真・動画撮影や画像認識(AI)に使用されます。
  • 操作性: テンプル部分のタッチ操作に加え、音声コントロール、指輪型コントローラー(RayNeo Ring)での操作に対応しています。

活用方法

開発者やガジェット愛好家、あるいはハンズフリーでの高度な作業支援を求める層に向けた製品です。

  • 対面翻訳: 会話相手の顔の横に翻訳字幕を浮かび上がらせ、スムーズな異文化コミュニケーションを実現します。
  • 空間ナビゲーション: 実際の道路の上に矢印やランドマーク情報を重ねて表示する、高度なARナビゲーションが可能です。
  • 一人称視点撮影: 見ている景色をそのまま写真や動画として記録し、SNSへ即座に共有できます。
  • AIアシスタント: 目の前の物体を認識して「これは何?」と尋ねたり、スケジュール管理を行ったりできます。

5. RayNeo V3:日常に溶け込むAIオーディオグラス

RayNeo V3は、これまでのモデルとは異なり、「ディスプレイを持たない(あるいは極めて限定的な)」AIオーディオグラスです。見た目は普通の眼鏡に近く、AIとの対話や音声体験にフォーカスしています。

RayNeo V3 AI Audio Glasses
図5:RayNeo V3 - 軽量なAIオーディオグラス(出典:YouTube)

主な特徴とスペック

  • デザイン: 通常の眼鏡と変わらないスリムなデザインで、一日中装着していても違和感がありません。
  • 機能: 主に音声アシスタント(ChatGPT等と連携)、通話、音楽再生、カメラ撮影機能を提供します。
  • カメラ: 高品質なカメラセンサー(Sony IMX681など)を搭載し、見たままの風景を撮影できます。
  • AI連携: ユーザーの問いかけに対してAIが音声で回答するほか、撮影した画像の解析なども可能です。

活用方法

ディスプレイによる視覚情報よりも、音声によるサポートやライフログ記録を重視するユーザー向けです。

  • ハンズフリー撮影: 子供やペットと遊びながら、スマホを持たずに決定的な瞬間を写真や動画に残せます。
  • 音声AIアシスタント: 歩きながら「近くの美味しいイタリアンは?」と尋ねたり、メールの読み上げを聞いたりできます。
  • 音楽・通話: 耳を塞がないオープンイヤースタイルで、周囲の音を聞きながら音楽を楽しんだり、電話に出たりできます。

6. 比較と結論:あなたに最適なRayNeoは?

これまで紹介した各モデルは、それぞれ明確なターゲットと用途を持っています。以下の比較表を参考に、自身のニーズに合ったモデルを選んでください。

モデル名ディスプレイ方式主な用途特徴
RayNeo X3 ProMicroLED + 導波路屋外AR、ビジネス、翻訳超高輝度、軽量AR、AI搭載
RayNeo Air 3s / ProMicro OLED (Birdbath)映画、ゲーム、PC作業201インチ大画面、高画質、手頃
RayNeo Air 2 / 2sMicro OLED (Birdbath)エンタメ、リラックス軽量快適、良質なサウンド(2s)
RayNeo X2MicroLED + 導波路開発、先進AR体験スタンドアローン、SLAM、カメラ
RayNeo V3なし (音声/カメラのみ)ライフログ、AI音声普通の眼鏡の外観、常時着用

今後の展望

RayNeoは、TCLのディスプレイ技術の強みを活かし、スマートグラス市場で急速に存在感を高めています。今後は、X3 Proのような「ディスプレイの視認性」と「デザインの洗練」を両立させたモデルが主流になっていくと考えられます。また、AI技術の統合が進むことで、単なる「表示デバイス」から、ユーザーの行動を先読みしてサポートする「インテリジェントなパートナー」へと進化していくでしょう。

エンターテインメントを楽しみたいならAirシリーズ、未来のAR体験を先取りしたいならXシリーズ、そして日常の記録とAIアシスタントが欲しいならVシリーズ。RayNeoのラインナップは、私たちの生活をより豊かで便利なものに変える可能性を秘めています。

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