INMOスマートグラス完全ガイド:進化するAR体験と未来の日常

投稿日: 2026年2月6日

近年、ウェアラブルデバイスの世界で急速に注目を集めているカテゴリーがあります。それが「スマートグラス」です。これまでのスマートグラスは、ケーブルでスマートフォンに接続する必要があったり、デザインが未来的すぎて日常使いには難しかったりと、普及にはいくつかのハードルがありました。

しかし、中国発のスタートアップ企業である「INMO(インモ)」が開発した製品群は、その常識を覆そうとしています。INMOは、完全ワイヤレスで動作するスタンドアローン型のARグラスを実現し、まるで普通の眼鏡やサングラスのようなデザイン性と、Android OSを搭載した高い機能性を両立させています。

本記事では、INMOが展開する主力製品である「INMO Airシリーズ」と「INMO GOシリーズ」の歴代モデルを詳しく解説し、それぞれの特徴や進化の過程、そして具体的な活用シーンについてご紹介します。

1. INMO Airシリーズの進化:完全ワイヤレスARへの挑戦

INMOの名を世界に知らしめたのが、フラッグシップモデルである「Air」シリーズです。このシリーズの最大の特徴は、「ケーブルレス」であることです。バッテリーとプロセッサーを本体に内蔵しており、スマートフォンに有線接続することなく、グラス単体でアプリを動かし、AR(拡張現実)体験を提供します。

初代 INMO Air:日常に溶け込むARの幕開け

初代「INMO Air」は、その画期的なコンセプトでクラウドファンディングサイトにて大きな成功を収めました。一見すると少し大きめのサングラスに見えますが、レンズの内部にはフルカラーのディスプレイが内蔵されています。

最大の特徴は、独自のOS(Androidベース)を搭載している点です。これにより、動画の視聴、ナビゲーション、通知の確認、写真撮影などを、スマートフォンを取り出すことなく行うことができます。また、タッチパッドによる操作や、頭の動きによるジェスチャーコントロールにも対応しており、ハンズフリーでのデジタルライフを提案しました。

INMO Air2:実用性を飛躍的に高めた第2世代

初代の成功を受け、さらなる進化を遂げたのが「INMO Air2」です。初代モデルで課題とされていたディスプレイの輝度やバッテリー持ち、操作性が大幅に改善されています。

INMO Air2 AR Glassesの製品画像
出典:Geekwills - INMO Air2 AR Glasses

主な進化ポイント:

  • デュアルフルカラーMicro-OLEDディスプレイ:両眼にディスプレイを搭載し、より鮮明で没入感のある映像体験が可能になりました。これにより、映画鑑賞やテキストの視認性が向上しています。
  • SLAM技術の搭載:空間認識能力が向上し、現実空間にデジタル情報を固定して表示するなどの高度なAR表現が可能になりました。
  • リング型コントローラー「INMO Ring」:これまでのツル部分のタッチ操作に加え、指輪型のコントローラーが付属するようになりました。これにより、手を顔の横に上げることなく、ポケットの中で指先だけで画面をスクロールしたり決定したりといった操作が可能になり、公共の場での使用感が劇的に改善されました。
INMO Air 2とスマートリングによる操作
出典:eBay - Inmo Air 2 -Smart AR Ring Control

上の画像のように、専用のリングを使用することで、プレゼンテーション中にスライドを送ったり、動画を選んだりといった操作がスムーズに行えます。INMO Air2は、ビジネスシーンでのテレプロンプター(カンペ表示)機能や、海外旅行時のリアルタイム翻訳表示デバイスとして、実用的なツールとしての地位を確立しました。

INMO Air3:AIと融合した最新フラッグシップ

そして最新モデルとなる「INMO Air3」では、さらなる軽量化とAI機能の強化が図られています。プロセッサーにはQualcomm製の高性能チップを採用し、処理能力が向上しました。

INMO Air 3の着用イメージ
出典:Raymond Wong - Gizmodo US

INMO Air3は、デザインがより洗練され、一見すると少し太めのファッショングラスのように見えます。カメラ性能も向上しており、見たままの景色を撮影してSNSに共有したり、AIによる画像認識を活用したりすることが可能です。

特に注力されているのが「AIアシスタント機能」です。内蔵マイクで拾った会話をリアルタイムで翻訳して目の前に字幕として表示する機能や、ChatGPTのような対話型AIと連携して、目の前のものについて質問すると答えが表示されるといった、SF映画のような体験を実現しようとしています。

※INMO Air3は、地域や販売時期によって仕様が異なる場合があり、一部の機能はベータ版として提供されていることがあります。最新情報は公式サイト等で確認が必要です。

2. INMO GOシリーズ:軽量化と情報表示への特化

Airシリーズが「多機能なスタンドアローン端末」であるのに対し、GOシリーズはより「日常使い」と「情報アシスト」に特化した軽量モデルです。処理の一部をスマートフォンに依存する形をとることで、圧倒的な軽さと普通の眼鏡に近いデザインを実現しています。

INMO GO:日常に溶け込む情報端末

INMO GOは、見た目は黒縁の伊達眼鏡そのものです。しかし、レンズの片隅には緑色の単色ディスプレイ(またはモデルにより簡易カラー)が浮かび上がります。これにより、歩行ナビゲーションの矢印や、メッセージの通知、翻訳されたテキストなどを、視界を遮ることなく確認できます。

Airシリーズよりもバッテリー持ちが良く、一日中装着していても疲れにくいのが特徴です。「常に何かを見続ける」のではなく、「必要な時だけ情報が目に入る」という使い心地は、スマートウォッチの眼鏡版とも言えるでしょう。

INMO GO2:翻訳とAIに特化した進化形

INMO GO2は、さらに「コミュニケーション」にフォーカスしたモデルです。特に強化されているのが、対面での翻訳機能です。

INMO GO2 ワイヤレススマートグラス
出典:eBay - INMO GO2 Wireless Smart AR Glasses

GO2は「World see you」というコンセプトのもと、軽量なボディにマイクとスピーカー、そして高性能なディスプレイを詰め込んでいます。海外旅行や多言語環境でのビジネスミーティングにおいて、相手が話す言葉を瞬時にテキスト化してレンズに表示する機能は、言葉の壁を取り払う強力なツールとなります。

また、スマートフォンと連携することで、ナビゲーション機能も強化されており、サイクリングやウォーキングの際に、いちいちスマホを取り出して地図を確認する必要がなくなります。

3. 各モデルの比較

INMOのスマートグラスはモデルによってターゲット層や機能が異なります。以下の表で主な違いを整理しました。

モデル名INMO Air2 / Air3INMO GO / GO2
コンセプトオールインワンARグラス
(スマホ不要で動作可能)
情報アシストグラス
(スマホ連携重視)
ディスプレイ両眼フルカラー Micro-OLED単眼/両眼 簡易表示(Micro-LED等)
※情報表示に特化
主な操作方法本体タッチパッド、スマートリング、音声本体タッチ、音声、スマホアプリ
重量約80g 〜 100g前後
(機能詰め込みのためやや重め)
約50g 〜 60g前後
(普通の眼鏡に近い軽さ)
バッテリー持ち連続使用数時間
(動画視聴やAR使用による)
長時間駆動
(情報表示のみなら1日持つ場合も)
カメラ機能あり(写真・動画撮影可能)モデルによる(GO2は非搭載または簡易的な場合あり)
価格帯高価格帯(約8万円〜11万円前後)中価格帯(約5万円〜7万円前後)

このように、「動画を見たり、単体でアプリを動かしたい」という方はAirシリーズ「通知確認や翻訳、ナビゲーションをさりげなく使いたい」という方はGOシリーズが適しています。

4. 活用シーンとライフスタイル

INMOスマートグラスを導入することで、私たちの生活や仕事はどのように変わるのでしょうか。具体的なシーンを想像してみましょう。

ビジネスシーンでの活用

1. スマートなプレゼンテーション
INMO Airシリーズの「テレプロンプター機能」を使えば、講演やプレゼンの際、原稿を暗記する必要はありません。視界の端に原稿を表示させ、聴衆とアイコンタクトを取りながら流暢に話すことができます。付属のリングを使えば、手元を見ずにページ送りも可能です。

2. 多言語会議のサポート
GO2やAir3の翻訳機能を使えば、相手が話す外国語がリアルタイムで字幕になります。通訳を介さずに、ダイレクトにコミュニケーションを取ることができ、ビジネスのスピード感が向上します。

3. ハンズフリーでの作業支援
マニュアルや図面をグラスに表示させながら、両手を使って機器のメンテナンスや組み立て作業を行うことができます。視線を外すことなく情報確認ができるため、作業効率と安全性が高まります。

エンターテインメントでの活用

1. プライベートシアター
新幹線や飛行機での移動中、INMO Air2やAir3をかければ、そこは自分だけの映画館になります。スマホの画面をのぞき込む必要がないため、楽な姿勢でリラックスしてコンテンツを楽しめます。

2. ARゲーム体験
現実世界にキャラクターやオブジェクトを重ね合わせるARゲームを楽しむことができます。ジャイロセンサーを活用した体感型のゲームは、スマートグラスならではの没入感を提供します。

日常生活での活用

1. 視線を外さないナビゲーション
自転車や徒歩での移動中、地図アプリを見るために立ち止まる必要はありません。進行方向や距離が目の前に矢印で表示されるため、周囲の状況に注意を払いながら目的地へスムーズにたどり着けます。

2. スマートな通知管理
料理中や満員電車の中など、スマホを取り出せない状況でも、LINEやメールの通知、着信を即座に確認できます。重要な連絡を見逃す心配がなくなります。

5. まとめと今後の展望

INMOスマートグラスは、単なる「ガジェット」の枠を超え、私たちの視覚を拡張するパートナーへと進化しています。AirシリーズはPCやスマホの代替としての可能性を示し、GOシリーズは生活をさりげなく支えるアシスタントとしての地位を築きつつあります。

もちろん、バッテリー技術の課題や、装着感の個人差、アプリのエコシステムなど、発展途上の部分はまだあります。しかし、INMO社が短期間でAirからAir3、GOからGO2へと急速に製品を改良し続けているスピード感は、この分野における彼らの本気度を物語っています。

今後、AI技術との融合がさらに進めば、「見ているものの詳細を教えてくれる」「会った人の名前と以前の会話内容をリマインドしてくれる」といった機能が当たり前になる日も近いかもしれません。

もしあなたが、最先端のテクノロジーを肌で感じ、少し先の未来を体験してみたいと考えているなら、INMOのスマートグラスは、その扉を開く鍵となるでしょう。

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